軟膏の選び方・ピアスホールへの塗り方・ステロイド外用薬とは?
軟骨ピアスのホールにトラブルが起きた時、できれば市販薬を使い自宅療法で治したいと考える人は多いでしょう。
もちろん自己判断で処置をせず、悪化する前に病院を受診するのが一番良いですが、この程度で病院はおおげさかも?と迷ってしまう人が多いようです。
下記ではピアスホールのトラブル時の症状と適切な軟膏の選び方・使い方をご紹介します!
※ピアスホールのトラブルはほっておいて改善することはありませんので出来るだけ早く病院を受診した方が良い、とうことを前提に参考程度にお読みください。
ピアスホールのトラブルにはどんな症状がある?
ピアスを開けるとどうして耳が赤くなる?
ピアスを開けた直後から安定するまでは「傷」の状態なので、治癒するために体は腫れなど正常な反応を起こすことがあります。
ただし、それ以外に違う要因から赤く腫れたりする場合があります。
“ピアスホールの周囲が赤くなることは珍しいことではなく、開けた後の肌の損傷(傷)を治そうとする正常な反応の他に、細菌感染や負担をかけてしまった等いくつかの理由が考えられます。”
引用元:くすりと健康の情報局HP・by第一三共ヘルスケア『肌の損傷が「傷」』
ピアスの炎症・化膿・金属アレルギーって?
まず大きく分けた一つ目が、雑菌に感染による炎症、酷くなった状態が化膿です。
二つ目は、汗が金属(ピアス)に触れて溶けだした物質が変化し、それが皮膚に触れた時体質に合わずかぶれを起こしている状態を「接触性皮膚炎」といいます。
「炎症」で起きる症状
ホール内を傷つけてしまうと、そこから雑菌が入り赤くなり熱っぽく腫れてきます。
放っておくと悪化してホールが安定しなかったりピアスの埋没にも繋がりますので早めに対処をしましょう。
「化膿」で起きる症状
化膿すると痒み・赤み・熱を帯び、触ると痛みを感じたり、膿が溜まることもあります。
体内から雑菌を追い出そうと黄色い分泌液が出て固まることがありますが、無理に剥がれて、入り口を傷つけてしまうことがもあるので要注意です。
「接触性皮膚炎=金属アレルギー」で起きる症状
接触性皮膚炎とは、いわゆる金属アレルギーのことです。
体質に合っていない金属成分が触れると体はアレルギー反応が起きると、かぶれると痒みを発し、”肉芽”になることもあります。
一度発症してしまうと完治するのは難しいため、残念ですがピアスはすぐ外して病院を受診することをオススメします。
ピアスホールに使う軟膏の選び方
ここでは基本的なことをご説明しますが、薬局で購入する場合は薬剤師の方に症状を相談してみるとよいでしょう。
軟膏って何?
軟膏(剤)とは有効成分(薬)とワセリン・油・脂肪などの”基剤”と混ぜて半固形半練りにした皮膚外用剤(ひふがいようざい)と呼ばれる医薬品です。
アトピー性皮膚炎やかぶれ、湿疹、炎症、にきび等の皮膚疾患症状の緩和を目的として使用されます。
●抗生物質軟膏 …皮膚の形成を助ける作用のある抗生物質が含まれるもの。
●抗菌用軟膏 …ばい菌の繁殖を防ぐ抗菌剤の含まれるもの。
●ステロイド軟膏 …細胞の力を弱めることで炎症、湿疹、かぶれや余分な細胞が出来ることを阻止する効果があるもの。
●鎮痒消炎作用軟膏(ちんようしょうえんさよう) …腫れや痒みを抑える効果があるもの。
このように、抗菌作用、皮膚の形成を助ける作用、痒みなどを抑える作用があり、一つの軟膏で複数の効果をもたらす種類もあります。
ステロイド外用薬って何?
“体内でつくられているホルモンを薬として応用したものです。
ステロイド外用薬は、局所(塗った部分)の炎症を鎮める作用にすぐれており、湿疹・皮膚炎を中心に、皮膚疾患の治療に幅広く用いられているお薬です。”
軟膏にも含まれるステロイドとは、体内の副腎で作られる副腎皮質ホルモンを免疫力抑制などの治療を目的として、ワセリンを基剤として作られた塗り薬です。
病院を受診し医師の判断で処方された薬(ステロイド外用薬を含む)は各自の症状や体質に合わせたものなので、弱い市販薬よりも適格かつ早期の治癒が期待できます。
ピアスホールのトラブルが数日にわたって改善されない場合は医師や薬剤師の方へ相談してみましょう。
ピアスホール使えるおすすめの軟膏の選び方は?
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軟膏により含まれる有効成分や作用する菌が違ってきますので、自分の症状を把握した上で何の症状にはたらきかけてほしいかを明確にし、有効なタイプを購入しましょう。
自分で選ぶのが難しい方は薬局で薬剤師さんや登録販売者の方に症状を相談してみましょう!
接触性皮膚炎(金属アレルギー)による症状をを和らげたい場合
接触性皮膚炎(金属アレルギー)の症状にはかゆみや湿疹に効果のある「鎮痒消炎薬」に当たるものが有効です。
基本的にステロイドが含まれていて、他には抗ヒスタミン、グリチルリン、クロタミトン等を含むタイプを選びましょう。
化膿を治療したい場合
化膿の症状には殺菌作用や雑菌の繁殖を防ぐ「抗菌薬」に該当するものが有効です。
こちらはオキシテトラサイクリン塩酸塩などの抗菌成分と皮膚の形成を助ける抗生物質が含まれるものを選びましょう。
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— スエヒロ薬店 (@RQLkn7R1FwA4N44) April 27, 2021
病院で処方される軟膏とは何が違う?
昨日ピアスホール開けた病院では軟膏を処方された…皮膚科だからかな?
10年前は内科メインの病院だったからなかったのか、時代の流れか…
去年くらいまでピアスホールが安定しなかった人だからこそ、きちんと清潔にしてお薬塗って、ファーストピアス早く外したい〜 pic.twitter.com/ZDIRbZri5r— あづさ (@alice_vivienne) February 17, 2021
軟膏には”医師の処方箋”がないと購入できない種類もあります。
※スタッフが病院(形成外科)でピアスを開けた時に処方されたのは「ゲンタシン軟膏」という処方箋が必要な種類でした。
軟膏の使い方と塗るタイミング
軟膏は「薬」なので正しく使用しないと状態を悪化させる恐れもあります。
基本的なケアだけでは治まらないトラブル症状がある時のみに使用しましょう。
基本的な軟膏の使い方
まず使い方として、1日1~2回を限度として過剰なケアによる触りすぎ、不要な消毒液の添付は避けましょう。
※ステロイドを含む場合不必要な常用は×!
不潔な状態やホール内に前日塗った古い軟膏が残っている上に重ね塗りしても効果を得られません。
①入浴時にシャフトを動かしホール内をしっかり洗う
②ホール周辺の水分をふき取る
③必要であれば軟膏を塗る
※化膿している場合などはシャフトとホールの隙間にいきわたらせて、ピアスホール内が湿った状態を作りましょう。
。
「消毒≠軟膏を塗る」ではない
殺菌作用成分が含まれた軟膏もありますが、軟膏を塗ること≠消毒ではありません!
ピアッシングをした直後から毎日消毒の代わりに軟膏を塗るという人がいますが、軟膏は消毒に特化した万能薬ではありません。
軟膏は多量に使用すれば効果が高くなるものではないので注意しましょう。
軟膏を使いすぎる副作用とデメリット
◆症状や体質に合っていない軟膏を塗ることで起こる”痒み、湿疹”などの副作用
◆抗生物質の使い過ぎによる「薬剤耐性菌」の発生・・・簡単にいうと薬に対する耐性が細菌に出来て効かなくなってしまうことです。
◆不必要な添付でホールを不潔にする・・・トラブルが起きる前の”予防”として毎日塗るという人もいるようですが不衛生になるのでやめましょう!
軽度に肉芽でも使用開始から3~5日を経過しても症状の改善が見られない場合はすぐに使用を中止し病院を受診しましょう。
ピアスホールのおすすめの塗り方
手には雑菌がたくさんついています!
出来るだけ手で直接患部に塗るのは避けて、適量を綿棒に取って塗りましょう!
ピアスの前側からシャフト(ピアスの軸)に塗り、ピアスをスライドさせて後ろ側のシャフトにも塗り、ゆっくりシャフトを動かしてホール内に擦り広げます。
この時痛みがある場合は無理にピアスを動かさないようにしましょう。
軟膏は軟骨ピアスの肉芽にも効くの?
先ほどもお伝えしましたが、軟膏は最低限のケアをしている前提で補助として使用するものです。
初期の肉芽であれば「毎日のケア→軟膏で保護する」という方法で効果が得られることもあるそうです。
※ホールに負担をかけ体がピアスを排除しようとしているなど他に原因があれば改善してください。
まとめ
市販の軟膏はあくまで症状が軽度の場合や病院へ行くことが難しい場合など、一時的なケアとして使用してください。
また、塗りたくったら効くというものではありませんので、トラブル症状がある場合は酷くなる前に病院を受診しましょう。
自己判断で選ばず医師や薬剤師の方に相談するのもおすすめです。